資格を活かす起業

押し売りにならない提案の仕方|「検討します」と言われたときに足りないもの

テーブルで話を聞いている女性 資格を活かす起業

「いいですね、検討します」

そう言われて、それきり連絡が来ない。

あのとき、もっと押すべきだったのでしょうか。
でも、押し売りだけはしたくない。

 
この記事は、ヒーラー・セラピスト・カウンセラーなどで開業されている方、そしてこれから始めようとしている方向けに書きました。

 

「検討します」は、押しが足りない合図ではなく、未来が伝わっていない合図です

先にお伝えします。 足りなかったのは、押す力ではありません。

その方が「これを受けたら、自分の毎日がどう変わるのか」を、まだ思い描けていないのです。

人は、値段だけを見て決めているのではありません。
払う金額と、手に入るものを、頭の中で並べて比べています。

比べる相手がないと、金額だけが残ります。
金額だけが残れば、高く感じます。

この記事では、提案のときに何を、どの順番で伝えるのかを書きます。

 

セールスが苦手なのは、セールスを「売り込み」だと思っているからです

まず、言葉の中身を分けます。 ここが重なったままだと、提案そのものが怖くなります。

セールスに苦手意識をお持ちの方は、こんな場面を思い浮かべておられます。

無理にすすめる。 断られても粘る。 相手を説得する。

私のところにも、たまに電話がかかってきます。
「1分だけお時間いいですか」と言いながら、1分では終わりません。
こちらの事情を何も聞かないまま、同じ話を続けます。

これは売り込みです。

相手の要望を聞かずに、一方的に話しているからです。

 

提案は、相手の話を聞き終えたところから始まります

提案は、これとは順番が逆です。

目の前の方が、何に困っていて、どんな毎日を望んでいるのかを先に聞きます。

聞いているうちに、「こうして差し上げたら喜んでいただけそうだ」と思いつく瞬間があります。

その瞬間から先が、提案です。

聞く前に話し始めたものは、提案ではなく売り込みです。

 

お客様が買っているのは、60分のセッションではなく、そのあとの毎日です

ここが、提案のいちばん大事なところです。 売っているものと、買われているものが違います。

私は個別コンサルティングをしています。
けれど、お申し込みくださる方が欲しいのは、私と話す60分ではありません。

その60分のあとに、売上が上がることです。
一人で悩み続けなくてよくなることです。

商品そのものではなく、その先にあるものを買っておられます。

ヒーリングやセラピーも同じです。

60分のセッションが欲しいのではありません。
朝、体が重いまま起きる毎日が変わることを望んでおられます。

 

「何をするか」だけではなく、「どうなるか」も書きます

メニューに書いてあるのは、たいてい「何をするか」のほうです。
これを「どうなるか」に書き直すと、相手の受け取り方が変わります。

3つ並べます。

何をするか(いま書いてあること) どうなるか(その下に足す一行)
60分のヒーリングセッションです セッションのあと、その日の夜は寝つきが良くなる方が多いです
月に1回、60分の相談がつきます 毎月一緒に整理するので、次の1か月を一人で悩み続けずにすむ方が多いです
30分の動画が10本ついています 順番に見ていくだけなので、何から手をつけるかで迷わなくなる方が多いです

右の列は、3つとも「〜方が多いです」で終えています。
「こうなります」とは言い切っていません。

左の列は、あなたが提供する中身です。
右の列は、その方の毎日に起きる変化です。

提案で先に伝えるのは、右の列のほうです。

左の列は、右の列を支える説明として、そのあとに置きます。

 

「効果には個人差があります」と、はっきり書いてください

未来を伝えるほど、この一行が要ります。

言い切った言葉は、こちらを守ってくれません。
実際より著しく良いと思わせる表示は、景品表示法で禁じられています。
病気が良くなるという意味に取れる言い方も避けます。

それ以上に大きいのは、受けてくださった方の気持ちです。
言い切った言葉を読んで申し込み、そうならなかったとき、裏切られたと感じます。

メニューにもホームページにも、「効果には個人差があります」と書いてください。

小さい文字で隅に置くのは、書いていないのと同じです。
未来を書いたその場所に、読める大きさで並べます。

 

右の列は、聞かないと書けません

右の列は、人によって違います。

同じ不眠の相談でも、望んでおられることは分かれます。
朝、子どもに笑顔で「おはよう」と言いたい方もいます。
昼間、仕事中に意識が飛ぶのをやめたい方もいます。

だから、提案の前に聞く時間が要ります。

聞かずに書いた右の列は、こちらの想像でしかありません。

そもそも、どなたに向けて書くのかが決まっていないと、聞く相手も決まりません。
そのような方のために、ヒーラー・セラピストのターゲットの決め方|「困っている人みんな」が、誰にも届かない理由という記事を書きました。

 

提案は、未来 → 私がすること → 金額 の順に伝えます

伝える中身が決まったら、次は順番です。 順番を変えるだけで、同じ金額が違う大きさに見えます。

  1. 手に入る毎日を伝える(右の列です)
  2. それを実現するために、私が何をするかを伝える(左の列です)
  3. この金額です、と伝える

この3つを、この順に言います。

1と2を飛ばして3から始めると、聞いた方の手元には金額しか残りません。

 

金額を先に言うと、比べるものがないまま高く感じられます

たとえば、10万円という数字だけを聞けば、高いと感じる方が多いはずです。

ところが、その10万円を払うことで月の収入が30万円増えるなら、計算は変わります。
差し引きで20万円増えるのですから、やらないほうが損です。

仕事の悩みが深い方にとっては、同じ10万円でも安く感じられます。
家族と過ごす時間が増えることも、将来の不安が減ることも、金額に換算しにくい価値です。

お客様は、金額だけを見ているのではありません。
金額と、手に入るものを並べて比べています。

比べる相手を先に渡すのが、手に入る毎日と、私が何をするかの2つです。

 

それでも金額を言うとき、声が小さくなる方へ

ここで止まる方は、とても多くいらっしゃいます。

いざ「それ、おいくらですか」と聞かれると、はっきり答えられない。
「ちょっと待ってくださいね」と言ってしまう。
自信がないので、こちらから「もう一度考えます」と引いてしまう。

もう少し進むと、「いま資格の勉強中なので、終わってから始めます」という形になります。

「検討します」と言っているのは、お客様ではなく、自分のほうかもしれません。

これは性格の問題ではありません。
人の脳は、いまのままでいることを安全だと考えます。
値段を言うのは、いままでと違うことなので、本能的にブレーキがかかります。

お金をいただくこと自体が怖いという方は、レイキの代償は本当か|お金をもらうのが怖いヒーラーへを先にお読みください。

 

未来を信じてもらうために、根拠を添えます

未来を伝えるだけでは、足りないことがあります。 その未来が本当に来るのか、相手は半信半疑だからです。

信じていただくために添えるものは、たとえばこういうものです。

  • これまでにどんな方が、どう変わられたか
  • ご自分が学んできたことと、かけてきた年数
  • なぜその方法で変わるのか、という筋道

華やかな実績でなくてかまいません。

「なぜそうなるのか」が筋道で説明できていれば、相手は安心します。

逆に、根拠のないまま「変わりますよ」とだけ言うと、売り込みに近づきます。

 

それでも「検討します」と言われたときに、することは3つです

ここまでやっても、その場で決まらないことはあります。 そのときに引き下がらず、かといって粘りもしない方法があります。

 

その1|何が決め手になっていないかを、その場で聞く

「ありがとうございます。差し支えなければ、いま気になっているのはどのあたりでしょうか」

こう聞きます。

返ってくる答えは、だいたい3つに分かれます。
金額のこと。 時期のこと。 自分に合うかどうか。

金額なら、手に入る毎日と、私が何をするかが、まだ伝わっていません。
時期なら、いつなら始められるかを一緒に決めます。
合うかどうかなら、合わない場合の見分け方をお伝えします。

聞かなければ、どれだったのか分からないまま終わります。

 

その2|曖昧なまま終わらせない。断られたほうが、お互いに助かります

長年営業をしてきた方でも、最後の一言が言えずに話がまとまらないことがあります。

そして、いちばん困るのは、断られることではありません。
「検討します」のまま、どちらにも進まないことです。

受ける側も、提案する側も、そこで止まります。

ですから、こうお伝えしてかまいません。

「もし今回は違うということでしたら、そうおっしゃってください。それでご縁がなくなるわけではありませんので」

はっきり断っていただけたほうが、次の方に向き合えます。
相手にとっても、宙ぶらりんの宿題が1つ消えます。

 

その3|断られた理由は、次の提案の入り口です

理由を聞けたら、そこで終わりにしないでください。

こちらが一生懸命に説明しても、思ったほど伝わっていないことがあります。

「こういうことができないので、今回は見送ります」

そう言われたとき、実はこちらで対応できる、ということが意外と多くあります。

単純に、受け取り方が違っていただけ、ということもあります。

ですから、もう一度うかがいます。

「いまのお話ですと、○○が難しい、ということでしょうか」

そのうえで、形を変えられるなら変えます。

「でしたら、○○様の場合はこういう形にしましょう。いかがでしょうか」

ひとり起業の良さは、ここにあります。

決裁を取る相手がいないので、その場で中身を作り変えられます。

お客様のご希望が、こちらの想定と違っていてもかまいません。
お話を聞いて、解決できると思えたら、もう一度ご提案してください。

断られた理由は、断りの言葉であると同時に、その方がいちばん気にしていることです。
聞けた時点で、こちらは一歩前に進んでいます。

 

今日できる一歩|メニューの1行を、未来の言葉に書き直す

最後に、今日のうちにできることを書きます。 大きく作り直す必要はありません。

ホームページかメニュー表を開いて、いちばん上に出てくるメニューを1つだけ選んでください。

その説明文は、「何をするか」で終わっていませんか。

終わっていたら、そのすぐ下に1行だけ足します。

「このセッションのあと、○○がこう変わります」

○○に入れるのは、いちばん最近ご相談を受けた方が、実際に口にされた困りごとです。
思いつかなければ、次にお話しするときに聞いてください。

書き直したら、そのままにして2週間ほど様子を見ます。
見るのはアクセス数ではなく、問い合わせの文面です。
「まさに私のことです」「同じことで困っています」という言葉が届いたら、合っています。

値段そのものの決め方は、レイキヒーリングの料金の決め方|相場で決めると、なぜ生活できないのかにまとめました。

 

それでも、一人では決め切れないとき

ここまで読んで、「右の列が、自分の場合は何なのか分からない」と思われた方もおられるはずです。

それは、ごく普通のことです。

自分の商品は、自分からいちばん見えません。
何年も続けてこられた方ほど、当たり前になってしまって、価値として言葉にできなくなります。

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無料の個別相談は、売り込みの場ではありません。
あなたの場合に何が足りていないのかを、一緒に見る時間です。

 

よくある質問

 

未来を伝えると、大げさな約束になりませんか

なりません。
約束するのは結果ではなく、何をするかと、その筋道です。
「こうなる方が多いです」「私はここまでお手伝いします」という言い方にします。
断定ではなく、根拠のある見通しとして伝えてください。
あわせて「効果には個人差があります」と書き添えてください。

 

その場で金額を言えないときは、どうすればよいですか

金額表を先に作っておいてください。
言えないのは勇気の問題ではなく、決まっていないからです。
決まっていれば、読み上げるだけですみます。
その場の雰囲気で値引きしないように、印刷した料金やチラシを見せます。

 

知り合いに提案するのが、いちばん気まずいです

知り合いだからこそ、未来から伝えてください。
身近な方は、あなたが何をしているかは知っていても、それで何が変わるかは知りません。
「こういうことで困っている方の、ここが変わる仕事をしている」と話すところから始めます。
受けるかどうかは、相手が決めることです。

 

「高い」と言われたら、値下げするべきですか

その前に、何と比べて高いのかを聞いてください。
他のサロンと比べているのか、今月の家計と比べているのかで、答えが変わります。
前者なら、右の列が伝わっていません。
後者なら、回数や期間を分けた形をご提案できます。

 

まとめ

  • 「検討します」は、押しが足りない合図ではなく、手に入る未来が伝わっていない合図です
  • 売り込みは、相手の話を聞く前に始まります。提案は、聞き終えたところから始まります
  • お客様が買っているのは、60分のセッションではなく、そのあとの毎日です
  • 伝える順番は、①手に入る毎日 ②私が何をするか ③金額 です
  • 金額を先に言うと、比べるものがないまま高く感じられます
  • その場で決まらなければ、何が気になっているかを聞きます。曖昧なまま終わらせません
  • 断られた理由は、次の提案の入り口です。対応できることなら、形を変えてもう一度出します
  • 効果は言い切りません。「効果には個人差があります」と、読む方に見えるところへ書きます
  • 今日は、メニューの1行の下に「このあと、○○がこう変わります」を足してください

 

 

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