資格を活かす起業

マルシェに出店しても誰も立ち止まってくれないとき、何を変えればいいのか?

マルシェで声掛けする女性 資格を活かす起業

「せっかく出店したのに、誰も立ち止まってくれませんでした」

マルシェに出た方から、いちばんよく聞く言葉です。

準備には時間もお金もかけました。
当日は朝から立ちっぱなしで、笑顔で待っていました。

それなのに、みんな通り過ぎていく。

隣のブースには人が集まっているのに、自分のところだけ静かなまま。
夕方には「もう二度と出たくない」と思っている。

この記事は、そこを変えるための話です。

結論から言うと、マルシェで売ろうとするから、立ち止まってもらえません。

出店料は、その日の売上を作るためのお金ではありません。
広告宣伝費です。

目標を「当日いくら売れたか」から「連絡先を何件いただけたか」に変えるだけで、当日の動き方が根本から変わります。

順を追って説明します。

マルシェとは何か、マーケットとの違い

マルシェはフランス語で「市場(いちば)」という意味です。

日本では、個人や小規模の店が集まって、一日か数日だけ開かれる出店イベント全般を指すことが多くなっています。

マーケットとの明確な線引きはありませんが、マルシェのほうが作り手・提供者本人がその場に立っているものを指す傾向があります。

ヒーリングやカウンセリングのような形のないサービスにとって、これは大きな意味を持ちます。
お客様と直接お会いできる場は、そう多くないからです。

マルシェにはいくつかの種類があります

種類 特徴 向いている方
ネットワーク型 主催者のつながりで毎月開催。ブースの数が決まっていて、出店者が入れ替わる。占い・アクセサリー・体を整える人など、枠ごとに1名という形が多い 同業と重ならず、常連客がつきやすい
テーマ型 「人と人との触れ合い」「暮らしを整える」など、主催者の思いに沿って出店者を集める 世界観が合えば、来場者との相性がよい
業種主催型 特定の会社が自社の場所で開催する(例:葬儀社が地域向けに開くマルシェ) 来場者の悩みが絞られていて、話が早い
商業施設・自治体型 集客力は大きいが、来場者の目的はばらばら 認知を広げたいとき

大きいマルシェほどよい、とは限りません。

来場者が5,000人いても、そのうち自分の話を聞いてくださる方が3人なら、100人のマルシェで3人と話せたのと同じです。
むしろ小さいほうが、一人ひとりとゆっくり話せます。

マルシェは、どうやって見つけるのか

インターネットで探すより、人づてで声がかかることのほうが多いのが実際のところです。

実際にあった例では、断捨離をきっかけに知り合った方から「今度こういうマルシェがあるから、おいでよ」と誘われて出店が決まっています。

ですので、探すというより「出店している人と知り合う」ほうが早いです。

まず一度、お客さんとして見に行ってみてください。
気になったブースの方に「どうやって出店されたんですか」と聞けば、たいてい教えてくださいます。

なぜ、誰も立ち止まらないのか

理由はひとつです。

通路を歩いている方から見て、あなたのブースが「何屋さんなのか」分からないからです。

来場者は、あなたのことを知りません。
技術の名前も知りません。

その状態で「レイキヒーリング」「〇〇セラピー」とだけ書いてあっても、自分に関係があるかどうか判断できません。

判断できないものの前では、人は立ち止まりません。

来場者は3つのタイプに分かれます

事前の告知も当日の見せ方も、この3つを分けて考えると迷わなくなります。

A|あなたのことを知っている人

会いたいという気持ちがある方たちです。

この方たちには、SNSの投稿ではなく個別に連絡してください。
電話、メール、DM、メッセンジャー、LINE。一対一のメッセージが圧倒的に効きます。

「◯日にマルシェに出ます」と全体に向けて書いても、自分に言われているとは思われません。

B|技術名や方法名を知っている人

あなたのことは知らないけれど、やっていることには興味がある方たちです。

たとえば「レイキヒーリングを一度受けてみたい」と思っている方。

この方たちには、SNSで「レイキヒーリングが体験できます」という切り口で伝えてください。
技術の名前が、そのまま引っかかりになります。

C|悩みを解決したい人

いちばん多いのが、この方たちです。

あなたのことも、技術の名前も知りません。
ただ、困っていることがあります。

この方たちに「レイキヒーリング」と書いても届きません。
届くのは、悩みの言葉です。

届かない書き方 届く書き方
レイキヒーリング体験 眠りが浅い方へ|15分でスッキリする新体験
〇〇セラピー 肩まわりが重い方、少し軽くしていきませんか
カウンセリング 誰にも言えないことを、15分だけ話しませんか

技術の名前は、最後で構いません。

「この痛みは楽になりますか」と聞いている方に、「レイキヒーリングとはですね」と説明を始めると、その時点で「じゃあ、もういいです」になります。

出店料は、広告宣伝費です

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。

マルシェの相談を受けると、多くの方がこう考えています。

「出店料が◯円だから、最低でもそれ以上は売らないと」

この計算をした瞬間に、当日の動きがおかしくなります。

元を取ろうとするので、目の前の方に売り込んでしまう。
売り込まれると分かるので、次の方はもっと避けて通る。

そうではありません。

マルシェで稼ごうと思わないでください

出店料は、その日の売上を作るためのお金ではなく、知っていただくためのお金です。

つまり広告宣伝費です。

チラシを1万枚配るのに数万円かかったとして、その日のうちに回収しようとは思わないはずです。
マルシェも同じです。

極端に言えば、当日は無料で体験していただいても構いません。
その代わりに、必ず持ち帰るものがあります。

目標は「連絡先を何件いただけたか」です

マルシェに行く目的は、連絡先をいただくことです。

連絡先さえあれば、そのあと何度でもお伝えできます。
その日に決めていただく必要はありません。

当日の目標を、こう置き換えてください。

これまでの目標 これからの目標
売上◯円 連絡先◯件
何人に買ってもらうか 何人と話せたか
その日で完結させる 次の約束をする

売上がゼロでも、連絡先が10件あれば、そのマルシェは成功です。

逆に売上が2万円でも、連絡先が0件なら、その日で終わりです。
また次のマルシェを探して、一からやり直すことになります。

出店が決まったら、日付から逆算する

マルシェのよいところは、日付が決まっていることです。

「そのうち商品を作ろう」と思っていると、いつまでも作れません。
出店日が決まると、それまでに用意せざるを得なくなります。

日付が決まったら、その日に向けて組み立ててください。

形のないサービスには、「形のあるもの」を用意する

ヒーリングやコーチングは、ブースに並べるものがありません。

これが、立ち止まってもらえない大きな原因です。

そこで、入口になる「形のあるもの」を用意します。

  • カードを引いていただく
  • アロマやハーブを選んでいただく
  • 簡単な診断シートに答えていただく
  • 手や肩を少しだけ触れさせていただく

目的は、それを売ることではありません。
足を止めて、話しかけるきっかけを作ることです。

「どれが気になりますか?」と聞ければ、そこから会話が始まります。

そして、こう続けます。

「詳しくは、あらためてこちらでお話ししますね」

その場で全部やろうとしないでください。

会場で、目に入るようにする

会場パンフレット

多くのマルシェには、入口で配られるパンフレットがあります。

ここに載せる文章は、この形を基本にしてください。

「誰の、どんなお悩みが、どのようになる、◯◯(あなたの名前・店名)」

技術名だけを書いている出店者がほとんどなので、これだけで目立ちます。

店の前やテーブル

2メートル離れていても目に入るかを基準にしてください。

手元の小さなポップは、立ち止まった人にしか読めません。
立ち止まってもらうためのものなので、遠くから読める大きさが必要です。

もうひとつ、パンフレットと同じ色・同じロゴ・同じ雰囲気を使ってください。

「入口でもらった紙に載っていたのは、ここか」と思い出していただけます。

そして、五感に引っかかるものがあると強くなります。
動くもの、光るもの、音が出るもの、香りがするもの。

チラシやポスター

配るチラシは、裏面を必ず使ってください。

表で興味を持っていただき、裏で詳しい内容と連絡先をお伝えします。

連絡先はQRコードにしてください。
その場で読み取っていただければ、それが連絡先の獲得になります。

「あとで検索してください」では、まず検索されません。

立ち止まってもらうための、声のかけ方

これがいちばん効きます。

そして、いちばん苦手な方が多いところでもあります。

売り込みだと思うと声が出なくなるので、順番を決めてしまってください。

4つのステップ

  1. 気軽に声をかける
    「よかったら、お手元だけほぐしていきませんか?」
    いきなり商品の話をしません。相手の負担が軽い言葉から入ります。
  2. 悩みや興味をうかがう
    ここが本番です。話すのではなく、聞きます。
    「最近、お疲れが出ていませんか」「どのあたりが気になりますか」
  3. 探しているものが、ここにあると伝える
    「今ちょうど、そういうご相談が多いんですよ」
    一人ではないと分かると、人は安心します。
  4. 体験をおすすめする
    「一度、試されたことはありますか? 無料で体験していただけますよ」
    売り込みではなく、手軽さ・お得感・その日だけという点を伝えます。

ステップ2を飛ばして4に進むと、押し売りになります。

押し売りとの違いは、順番だけです。
先に相手の困りごとをうかがってから提案すれば、それは提案です。

体験のあと、必ずやること

体験していただいて「ありがとうございました」で終わってしまうと、その日で関係が終わります。

体験のあとが本番です。

その場で連絡先をいただく

体験を終えた直後が、いちばん心を開いてくださっているときです。

このタイミングでお願いしてください。

「今日の内容をまとめてお送りしたいので、連絡先をうかがってもよろしいですか」
「後日、ご自宅でできるケアをお送りしますね」

ただ「LINE登録してください」とお願いするより、送るものがあるほうが自然です。

その日に売ろうとしない

体験のあとに「本コースは◯円です」と続けたくなりますが、その場では決まりません。

決まらないだけでなく、それまでの好感まで消えます。

伝えるのは、こう。

「もう少し続けると変わってくる方が多いので、よければあらためてご案内しますね」

そして連絡先をいただいて、後日お伝えします。

翌日に連絡する

マルシェが終わって疲れていても、翌日には連絡してください。

一週間経つと、相手はあなたのことを忘れています。

内容は簡単で構いません。
「昨日はありがとうございました。◯◯とおっしゃっていた件ですが」と、その方個別の話を一言添えるだけで、まったく違います。

マルシェのあとに、考えること

連絡先が集まったら、次は何を売るかです。

ここで多くの方が、マルシェと同じ単発のセッションを案内してしまいます。

1回3,000円のセッションを何度も売り続けるやり方では、どれだけ人と出会っても生活は安定しません。
月30万円が必要なら、3,000円では月100人と会い続けることになります。

マルシェで出会った方に案内すべきなのは、単発ではなく続けて関わる形の商品です。

その考え方はレイキヒーリングの料金を決めるとき、相場をどこまで参考にしていいのかで詳しく説明しています。

無料や体験から有料へ切り替える順番は無料のヒーリングから有料に切り替えるとき、何をすればいいのかにまとめました。

よくある質問

マルシェの出店料はいくらくらいですか

主催者や規模によって大きく異なります。
個人が出る規模のマルシェでは、数千円から一万円台が中心です。
金額そのものより、それを広告宣伝費として見られるかどうかが分かれ目になります。

売上がゼロだったら失敗ですか

連絡先がいただけていれば失敗ではありません。
逆に売上があっても連絡先が0件なら、その日で終わりです。
当日の売上ではなく、次につながった件数で判断してください。

声をかけるのが苦手です

苦手な方ほど、順番を決めてしまってください。
「よかったら、お手元だけほぐしていきませんか」から始めて、次に相手の話をうかがう。
この2つだけ決めておけば、あとは会話になります。

形のないサービスは、何を並べればいいですか

カード、アロマ、ハーブ、診断シートなど、手に取れるものを入口にしてください。
それを売るためではなく、話しかけるきっかけを作るためです。

大きいマルシェと小さいマルシェ、どちらがいいですか

最初は小さいほうをおすすめします。
来場者が多くても、一人ひとりと話せなければ意味がありません。
小さい会場のほうがゆっくり話せて、連絡先もいただきやすくなります。

同じマルシェに何度も出るべきですか

毎月開かれているマルシェなら、続けて出るほうが効果的です。
二度目、三度目に「また来たんですね」と声をかけていただけるようになります。
一度きりでは、覚えていただけません。

まとめ

マルシェで誰も立ち止まってくれないとき、変えるところはここです。

  • 売ろうとしないでください
    出店料は広告宣伝費です。その日に回収しようとすると、売り込みになります
  • 目標を「連絡先◯件」に変えてください
    売上ゼロでも連絡先が10件なら成功です
  • 来場者は3タイプに分かれます
    知っている人には個別連絡、技術名を知る人にはSNS、いちばん多い「悩みを抱えた人」には悩みの言葉で
  • 技術名を大きく書かないでください
    通路の人が知りたいのは「自分に関係があるか」だけです
  • 形のないサービスには、形のあるものを用意してください
    売るためではなく、話しかけるきっかけのためです
  • 声かけは順番を決めてください
    気軽に声をかける → 聞く → 一人ではないと伝える → 体験をすすめる
  • 体験のあと、その場で連絡先をいただいてください
    そして翌日に連絡する。一週間経つと忘れられます

マルシェは、形のないサービスを扱う方にとって数少ない「直接お会いできる場」です。

その日の売上ではなく、そこから始まる関係のために出てください。

そう考えるだけで、当日の立ち方も、声のかけ方も変わります。

 

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