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介護美容の資格を仕事にする完全ガイド|収入・集客・働き方・法律まで解説

介護美容を仕事にする方法 フリー介護士

介護美容の資格を取った。技術も身につけた。高齢者の方に喜んでもらえる仕事がしたい。

それなのに、「仕事をどう見つければいい?」「施設に声をかけても断られる」「値段はいくらにすればいい?」と、最初の一歩で止まっていませんか。

介護美容の資格を仕事につなげるために必要なのは、資格を増やすことだけではありません。
誰のどんな困りごとに応えるかを決め、サービスと価格を組み立て、必要な人に届けることです。

この記事では、介護美容の資格を取ったあとの働き方、法律で気をつけること、メニュー・価格・集客の考え方を、順番に整理します。

さらに、介護と美容を組み合わせて自分の仕事を作った方の実例もご紹介します。

気になるところは、各章から詳しい記事へ進めるようにしました。

 

この記事でわかること

  • 介護美容の資格を取っても仕事につながらない理由
  • 介護美容を仕事にするときにぶつかりやすい「3つの壁」
  • 免許・出張施術・介護サービスで気をつけること
  • 施設勤務・美容単体の独立・介護との組み合わせという働き方
  • メニュー・料金・集客の組み立て方と、最初の仕事の作り方
  • 実際にサービスを見直した、介護美容実践者の事例

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1.介護美容の資格を取ったのに、仕事がないのはなぜ?

「資格を取れば仕事が見つかると思っていたのに、何をしたらよいか分からない」。

介護美容を学んだ方から、こうした声をよくうかがいます。

介護美容の資格や講座で学べるのは、おもに施術の知識と技術です。

一方で、仕事として続けていくには、それとは別に商品づくり、価格設定、集客、契約、続けて使っていただく仕組みが必要になります。

たとえばネイルケアの技術があっても、「誰に」「どんな場面で」「どんな価値を」「いくらで」届けるのかが決まっていなければ、相手は頼みようがありません。

資格を取ることと、お客様から対価をいただくことの間には、もう一段階あるのです。

資格をもう1つ増やす前に、一度だけ確認してみてください。

足りないのは、施術の技術でしょうか。
それとも、仕事の作り方でしょうか。

資格そのものの違いや選び方から整理したい方は、ケアビューティストと福祉ネイルの違い|資格を選ぶ前に知っておくこともあわせてお読みください。

 

2.介護美容を仕事にするときの「3つの壁」

 

壁① いくらで提供すればよいか分からない

介護美容では、施術そのものの料金だけでなく、移動の時間、交通費、準備、片付け、その方の体調に合わせた対応まで考える必要があります。

近くの美容サービスの料金をそのまま当てはめても、続けられるとは限りません。

ただ、価格が決まらない一番の原因は、相場を知らないことではありません。

何をどこまで提供する商品なのかが、はっきりしていないことのほうが多いのです。

 

壁② 必要としている人と出会えない

介護美容では、サービスを受けるご本人と、相談するご家族、紹介してくださる専門職、場所を貸してくださる施設の担当者が、それぞれ別の方であることがあります。

「介護美容をします」とだけお伝えしても、その方にとって何が良いのかが分からず、関心を持っていただけないことがあります。

大切なのは、資格名をお知らせすることではありません。

「この方の、どんな困りごとに役立つのか」をお伝えすることです。

 

壁③ どこまでをサービスに含めるか決められない

美容の施術だけなのか。準備や移動、見守り、会話、身だしなみを整えるお手伝いまで含めるのか。

サービスの範囲があいまいなままでは、ご本人もご家族も、料金やお願いしてよいかどうかを判断できません。

さらに、提供する内容によっては、美容師法などの確認が必要になります。

できること・しないこと・必要な資格や確認することをはっきりさせることが、サービス設計の土台になります。

この3つの壁は、別々のものではありません。

誰にどんな価値を届けるかが決まれば、サービスの範囲が定まり、価格も説明しやすくなり、集客で使う言葉も変わってきます。

 

3.介護美容の資格でできる仕事と、法律で気をつけること

介護美容を仕事にするときは、民間資格があるかどうかだけで判断しないことが大切です。

施術の具体的な中身、仕事として行うかどうか、どこで行うか、地域での取り扱いを確認してください。

 

美容師免許・理容師免許が必要な仕事

美容師法では、美容師でない方が「美容」を仕事として行うことは認められていません。

美容師が行うカット、パーマ、カラーなどの仕事や、理容師の仕事には、それぞれ法令上の資格や要件があります。

「介護美容の資格を取ったから、ヘアカットも有料で提供できる」ということにはなりません。

また、「シャンプーだけなら必ず免許が要らない」とも考えず、ご自身がやろうとしている中身を具体的に確認してください。

 

施設やご自宅への出張美容には条件がある

美容師法は、原則として美容所以外での美容の仕事を制限していますが、法令で例外が決められています。

病気や要介護状態などで美容所へ来ることが難しい方は、その対象になり得ます。

ただし、相手が高齢の方であれば、誰にでも、どこへでも無条件で出張できるという意味ではありません。

ご本人の状況や、都道府県・保健所の手続き、衛生面の要件を確認してください。

 

メイク・ネイル・整容は、中身を分けて考える

「介護美容」という一つの呼び方の中に、お化粧、爪のケア、身だしなみのお手伝いなど、性質の違うサービスが入っています。

美容師法の「美容」の定義には「化粧」も入っているため、すべてをまとめて「免許は要らない」と言い切ることはできません。

また、爪や皮膚の状態によっては、衛生面や感染予防、医療行為との線引きにも気をつける必要があります。

サービスの中身を具体的にしたうえで、必要に応じて管轄の保健所などにご確認ください。

介護保険外のサービスに組み込んだからといって、免許が必要な施術を免許なしで提供できるようになるわけではありません。

ここが、いちばん大事なところです。

3本の線を条文と国の通知で整理した記事を、別に用意しています。「自分は何をしていいのか」で止まっている方は、介護美容で免許なしでできること|美容師法などの整理を先にお読みください。

 

4.介護美容の資格を取ったあとに考えられる3つの働き方

介護美容の資格を活かす方法は、独立開業だけではありません。

いまの生活や仕事の状況に合わせて選べます。

働き方 特徴 考えておきたいこと
施設・事業所に所属して活かす いまの仕事の中で、施術や整容の知識を活かせる 勤務先の方針、業務の範囲、許可
介護美容を中心に独立する メニューと提供先を自分で決められる 集客、移動、料金、資格と衛生の要件
介護保険外サービスと組み合わせる 生活のお手伝いの中に、美容や整容を位置づけられる 役割をはっきりさせること、契約、保険、必要な資格

 

① 施設や事業所に所属しながら活かす

すでに介護職として働いている方は、勤務先の方針と必要な資格を確認したうえで、利用者さんの身だしなみや暮らしの楽しみを支える場面に、学んだことを活かせます。

収入の土台を保ちながら経験を積めることも、この働き方の良いところです。

副業として活動する場合は、就業規則や、届け出・許可が要るかどうかを確認してください。

国(厚生労働省)は、副業・兼業を原則として認める方向を示しています。

ただし、本業に支障が出る、秘密が漏れる、競合になる、信用を損なうといった事情があるときは、禁止や制限が問題になることがあります。ここは一人ひとり事情が違うので、ご自身の場合で確認してください。

会社が本当に止められるのは4つの場合だけです。その4つが介護の現場では何にあたるのか、職場への伝え方まで、別の記事にまとめました。

 

② 介護美容のサービスを中心に独立する

福祉ネイルや美容まわりのサービスを、施設やご自宅のお客様に届ける方法です。

メニューや活動する時間を決めやすい一方で、技術を身につけることとは別に、自分で知っていただき、選んでいただく仕組みが必要になります。

 

③ 介護と組み合わせて、フリーランスとして届ける

私がお伝えしているもう一つの選択肢が、介護の経験を土台にして、自費の生活支援や見守りと、美容・整容のサービスを組み合わせる考え方です。

たとえば、身だしなみを整える時間だけでなく、その前後の準備、会話、暮らしの困りごとへの対応まで整理してご提案する、という形です。

ただし、何でもお引き受けするのではなく、自分が提供できる範囲と契約の条件をはっきりさせることが前提になります。

この働き方は、フリー介護士という働き方で詳しくご紹介しています。

 

最初に考えるのは「ネイルはいくら」「メイクはいくら」ではありません。

誰に、何を届けるかです。

たとえば「外出の機会が減って、身だしなみを整える楽しみが少なくなった方」と、「介護をしているご家族に、気分転換の時間を作ってさしあげたい方」とでは、響く言葉も、必要なサービスの中身も違います。

 

メニューを決めるときの4つの見方

  1. 対象の方:ご本人の状態、ご希望、ご家族の困りごとは何か
  2. 提供する内容:何をして、何をしないのか。必要な資格や確認することは何か
  3. 提供の条件:訪問先、かかる時間、交通費、準備と片付けの時間
  4. 続けていただけるか:1回きりか、定期的なご利用を考えるか

価格は、施術の時間だけでなく、移動や準備にかかる時間、材料費、交通費、そして続けられる採算まで含めて考えます。

安い価格で始めても、時間や費用が合わなければ、続けることができません。

大切なのは、価格を先に当てはめることではありません。

お客様が受け取る価値と、無理なく提供できる条件を一致させることです。

決め方の手順は介護美容のメニューと値段の決め方にまとめました。

訪問にかかる交通費やガソリン代は、訪問サービスの交通費・ガソリン代の考え方で、法令の根拠まで含めて整理しています。

 

6.介護美容の集客方法|施設営業から始める必要はある?

「まず施設を100件回って営業しよう」「SNSを毎日投稿しよう」と考える方もいらっしゃると思います。

けれども、始めたばかりの時期にたくさんの人へ知らせることが、最初の仕事への近道とは限りません。

まずは、自分が誰のどんな困りごとに応えられるのかを、具体的に説明できることが先です。

 

資格の名前より、相手の変化をお伝えする

たとえば「介護美容の資格を取りました」だけでは、その資格をご存じないご家族には中身が伝わりません。

「おしゃれを楽しむ機会が減ったお母さまに、無理のない範囲で身だしなみを整える時間をお作りします」とお伝えするほうが、どなたのためのサービスなのかが伝わります。

もちろん、実際に提供できる施術の中身に沿ってご説明することが前提です。

この「言葉の置き換え」は、一人で考えていると、なかなか気づけないところです。実際のチラシを直していったやり取りを、「介護美容」を伝わる言葉に変えるに載せています。

 

施設に営業して断られる理由を考える

施設には、安全の管理、職員の負担、感染対策、費用の負担、利用者さんとご家族へのご説明など、受け入れる前に確認することがいくつもあります。

断られたからといって、技術の価値が否定されたわけではありません。

施設に何をお願いするのか。施設側にはどんな負担が生じるのか。誰が料金を払うのか。

ここを整理すると、ご提案のしかたが変わります。

断られる理由と、入口の変え方は施設に営業しても断られる理由にまとめました。

チラシが刷り上がったあと、受付で「置かせてください」が言えずに止まる方も多くいらっしゃいます。そのような方は福祉ネイルのチラシを施設に置いてもらうにはもあわせてお読みください。

 

最初のお客様は、身近なつながりから探してもかまいません

いきなり大勢に宣伝する前に、これまでの仕事のつながりや知人の方に「こんな困りごとを抱えている方はいませんか」とご相談してみる方法もあります。

ただし、勤務先で知った利用者さんの情報を使ったり、ご本人の同意なくご紹介をお願いしたりすることはできません。

まず小さく聞いてみる。相手の話を聞いて、商品を直す。

この繰り返しが、選ばれるサービスづくりにつながります。

 

7.実例|「介護か、美容か」ではなく、両方をつなげて考える

ここまでの話を、実際の活動から見てみましょう。

ご紹介するのは、私の講座で学ばれた『訪問介護美容いまここ』の中川るいさんです。

介護と介護美容を組み合わせた活動事例・中川るいさん

中川さんは、介護も介護美容も好きなのに、どうやって一つの仕事として届ければよいのかで悩んでいらっしゃいました。

そこで、施術の技術だけを見るのをやめて、利用者さんとご家族が何を求めていらっしゃるかから考え直していきました。

変えたことは、大きく3つです。

  • 30分のコースをやめ、60分だけに絞ったこと
  • 1回きりの施術ではなく、続けて関わる形に変えたこと
  • チラシの表紙を「もう一度、母の笑顔に会いたい」に変えたこと

ここで見ていただきたいのは、技術を増やしたわけではない、という点です。

誰に、どんな時間を届けたいかを見直したことで、商品の形と言葉が変わりました。

介護美容だけを届ける方にも参考にしていただける事例ですが、介護の経験がある方なら、生活のお手伝いと組み合わせて、ご自分だけのサービスを考えることもできます。

もちろん、自分が提供してよい範囲と、利用者さんの安全を確かめたうえでのことです。

中川さんの1年を、「介護か、美容か」で悩んだ介護福祉士が、自分の言葉を見つけるまでに、順を追ってまとめました。同じところで止まっている方は、ご自分の場合に置き換えて考えやすいと思います。

中川さんご本人の表情は、動画でもご覧いただけます。
中川さんのインタビュー動画を見る(YouTube)

 

8.介護美容の資格を仕事につなげる5ステップ

ここまで読んで「自分は何から始めればよいのか」と思われた方は、次の順番で整理してみてください。

 

ステップ1|誰の困りごとを解決するか、具体的に決める

「高齢者の方全般」ではなく、まずはお一人の顔が思い浮かぶくらい具体的に考えてみましょう。

その方は何に困っていて、何を楽しみにしていらっしゃるでしょうか。

 

ステップ2|ご本人やご家族の希望をうかがう

自分が提供したい施術を先に決めるのではなく、ご本人やご家族の声をうかがいます。

困りごとの背景まで分かることが、商品づくりの出発点になります。

 

ステップ3|できることと、できないことを整理する

資格・法令・衛生面・経験・安全を確認して、提供する内容をはっきりさせます。

必要があれば保健所や専門家にご相談のうえ、無理のない範囲で組み立てます。

 

ステップ4|小さなメニューと価格をつくる

はじめからたくさんのコースを用意する必要はありません。

届ける相手と価値を絞って、時間・費用・対応できる範囲を確かめながら、説明できるメニューを一つ作ってみましょう。

 

ステップ5|信頼できるつながりにご提案して、直していく

必要としている方にお話を聞いていただき、反応やご質問を確かめます。

ご提案して終わりではなく、いただいた声をもとにサービスを直していくことが大切です。

すべてを完璧にしてから動く必要はありません。
ただ、法律・安全・契約など、先に確認することだけは省かないでください。

 

9.介護美容の仕事について、よくあるご質問

 

Q.介護美容の資格があれば、すぐに仕事ができますか?

資格を取ることが、そのまま仕事につながるとは限りません。

サービスの中身が法令に合っているかを確かめたうえで、届ける相手、料金、集客の方法まで組み立てる必要があります。

 

Q.美容師免許がなくても、介護美容で収入を得られますか?

提供する中身によります。介護美容のサービスすべてに同じ免許の要件があるわけではありませんが、美容師法などの決まりが関わる行為もあります。

中身を具体的にして、必要な確認をしてください。

 

Q.施設勤務を続けながら準備できますか?

できます。勤務先の就業規則、契約、情報の扱いを確認しながら、仕事づくりの学びと準備を進めていく方法があります。

 

Q.施設への営業が苦手です。SNSで発信しないといけませんか?

SNSは方法の一つですが、必ずしも必要ではありません。

自分のサービスがどんな方の役に立つのかをはっきりさせて、知人の方などのつながりからご相談を始める方法もあります。

 

Q.介護と美容を組み合わせると、どんな良いことがありますか?

美容の施術だけでは拾いきれない、暮らしの困りごとに応えるサービスを組み立てやすくなります。

ただし、どんな仕事でもお引き受けできるわけではなく、業務の範囲と必要な資格をはっきりさせることが前提です。

 

Q.最初に何をすればよいですか?

まず「誰の、どんな困りごとを、何によって解決したいか」を一文で書いてみてください。

サービス設計も、価格も、集客も、ここが出発点になります。

 

まとめ|資格を取った次は「仕事の作り方」を考える

介護美容の資格や技術を活かすには、学んだことを必要としている方に届けるための仕組みが必要です。

そのために整理したいのは、①誰の困りごとに応えるのか、②何をどこまで提供するのか、③いくらで、どのように届けるのかの3つです。

介護の経験があるなら、美容を介護から切り離して考える必要もありません。

介護と美容を組み合わせることも、働き方の一つの選択肢になります。

資格を取って終わりにせず、自分らしい仕事にしていくために、まずは一つずつ整理してみてください。

 

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関連資料・出典

※この記事は一般的な情報をお伝えするものです。施術ができるかどうか、免許・届け出、衛生の管理、契約の中身などは、個別の状況や地域によって判断が異なります。始める前に、管轄の保健所などへご確認ください。事例はご本人の承諾を得て掲載しています。

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