フリー介護士

ケアマネに渡すチラシに何を書けばいい?あなたの思いではありません

チラシを考えている女性 フリー介護士

きれいなチラシができたのですが…
誰からも依頼が来ません。

フリー介護士として、介護保険外の自費サービスで仕事を始める時に、最初にお勧めすることがチラシ作りです。

地元で仕事を取るためには、SNSよりもチラシの方が効果的だからです。

 

デザインを整えて、できることを並べて、連絡先を入れる。

そこまでは、どなたでもできます。
問題は、そのあとです。

ケアマネさんのところへ持っていって、受け取ってもらえた。
でも、そこから何も起きない。

チラシが悪いのではありません。
書いてある中身が、渡す相手に向いていないだけです。

 

先日のグループコンサルで、受講生の方が作られたチラシを話し合った様子を、そのままお伝えします。

「チラシを渡しても効果がない」とお考えの方は、これを読むとチラシ作りの意外な落とし穴に気付けます。

ぜひ、最後までご覧ください。

第1章:そのチラシ、誰に渡しますか

見せていただいたチラシには、こう書いてありました。

ご自宅でのお食事の作成、入浴、お掃除などの日常生活のお手伝い。
通院の付き添い。お買い物の代行や同行。ご自宅の整理。
介護に関するご相談や、ご家族の不安も一緒に考えます

できることが、きれいに並んでいます。

そこで、ひとつだけ質問しました。

「これは、誰に渡すチラシですか」

答えは「ケアマネさんです」でした。

 

もう一度、先ほどの内容を見直してください。

ケアマネさんが受取って、どのように思うでしょうか?

書いてある中身はケアマネさんに向いていないと、思いませんか?

 

ケアマネージャーは、あなたに興味はありません

厳しい言い方になりますが、はっきり書きます。

ケアマネさんにとって、あなたの気持ちはどうでもいいことです。

とても忙しいし、あなたは仲の良い友達ではないからです。

 

「利用者さんが自宅で安心して自分らしく暮らせるよう、お手伝いしたいと思っています」

この一文を読んで、ケアマネさんが思うことはひとつです。

「頑張ってくださいね!」

そして、チラシをどこかにしまい、また仕事に戻るのです。

 

第2章:1番上に書くのは、ケアマネージャーの悩みです

では、チラシで一番目立つ、上の方には、何を書けばいいのか?

それは「チラシを受け取る人が困っていること」です。

 

相手の立場になって考えてみてください。
ケアマネさんが、日々の業務で困っていることは何でしょうか?

たとえば
介護保険でしてあげたいが、点数や時間が足りなくて、してあげられない。

それなら、チラシの1番上に来るのは、この一行です。

介護保険では対応できない利用者さんは、いらっしゃいませんか?

そして、私が自費サービスで引き受けます、と続けます。

 

「こんなお悩みはありませんか」という見出しを使うなら、ケアマネージャーの悩みを書いてください。

パッと見て目に入る1番上にです。

ケアマネさんの悩みは、ほかにもあります。

  • 仕事のルールで、やってあげたくてもできないことが多い
  • 時間が限られていて、いつも十分にやってあげられない
  • 制度の枠に入らない依頼を、どこに回せばいいか分からない

どの切り口から入るかは、選んでかまいません。

ただ、自分の思いから入ると、忙しいケアマネージャーには興味のないことです。
綺麗に出来たチラシでも、ゴミ箱へ直行です。

あなたのチラシは大丈夫ですか?

 

第3章:渡す相手が変わると、書くことが全部変わります

フリー介護士として、高齢者に自費サービス提供をする場合でも、チラシは一つではありません。

渡す相手が3通りもあり、3通りとも書くことが違うからです。

 

1.ケアマネージャーに渡す場合

1番上に来るのは、介護保険で対応できない利用者さんの話です。

ケアマネさんは、いつも制度の枠と目の前の人の間で困っています。
「してあげたいけど、充分にできない…」

このようなお悩みを抱えたケアマネさんなら、チラシの一番上はこのようになります。

介護保険でカバーできないご利用者さんはいませんか?

「困っているんです。話を聞かせてください!」となりますよね?

 

2.利用者さんご本人に渡す場合

ケアマネさんには響かない言葉でも、相手が変われば興味を引くものになります。

生活でお困りごとはありませんか?何でもお手伝いいたします。

「押入れの奥にある物を取りたいんだけど、相談してみようかしら…」となりますよね?

 

3.ご家族に渡す場合

ご家族の悩みは、ご本人ともケアマネージャーとも違います。

介護をしている家族の悩みとして、出かけたいけれど、出かけられない、ということが多いです。

その悩みを解消してあげたいと思ったら、ご家族に渡すチラシの1番上はこうなります。

介護福祉士の私が、あなたの代わりにご自宅で見守ります。安心して出かけてください

 

どうですか?チラシ作りは意外と奥が深いのです。

チラシを作る前に決めることは、デザインでも料金でもありません。誰に渡すか、です。

 

チラシ作りのコツ

チラシ作りの大切なことは、渡す相手の気持ちになる、ということです。

過去にどこかで知り合った方、少し付き合いのあった方を、チラシを渡したいケアマネさん、、、
誰でも良いので一人だけ思い出してください。

「あの人は、いま何に困っているだろう?」と考えるところから始めます。

顔が浮かばないと、相手の悩みは書けません。
だから、最初は渡したい人をひとりに絞ってチラシを作ってみてください。

「みんなに配りたい」と思ってチラシを作ると、誰の興味もひかないものになってしまうからです。

一人に絞り込んで作ったチラシなら「これは私のことだ!」と思って連絡をもらえます。

 

第4章:言葉を合わせる

講座では、これまでたくさんのチラシ作りをアドバイスしてきました。

多くの人が失敗することの一つに、専門用語ばかりで伝わらない、ということです。

「介護保険外サービスです!」
「介護美容を始めました!」
「ターミナルケアの専門家です」

私のような一般生活者には、なんのことだか分かりません。
だから、そんな言葉を見かけても、自分には関係ないと思ってしまうのです

 

一般の方には、専門用語は届きません

そこで、私がいつもアドバイスするのは「相手に言葉をあわせる」ということです。

チラシを受け取る人を想像して、その人が分かる言葉、普段使っている言葉で説明する必要があります。

「介護保険外サービスです。どうですか?」

と言われても、普通の人には、何に介護保険が使えて、どれくらい使えるのか、「何が内で、何が外?」などということは全く分からないのです。

チラシを何枚配っても、効果がないことが分かりますよね。

 

専門家には専門用語

私の講座でしっかり学んでいる方は、「逆の失敗」をしてしまうことがあります。

たとえば
ケアマネさんに持参するのに、専門用語を使わないチラシを作ってしまう。

この場合は、相手がケアマネージャーなら、専門用語のままで良いのです。

同じ業界の人だからです。

専門用語を適切に使えば、簡潔に、正確に、あなたのしたいことが伝わります。

 

持っている資格は、書いてください

「資格をずらっと並べるのは、なんだか気が引ける」
「自慢しているみたいに思われたくない」
「書かなくても分かってもらえます!」

コンサルをしていると、このように言われる方は、けっこう多いです。

「話していく中で、少しずつ伝えられればいいかな」と考えてしまう方も多いのですが、それはうまくいきません。

一般的に忙しいケアマネージャーは、そんなに時間を取ってくれません。

 

たとえば、たんの吸引ができる研修を修了しているとします。

普通の利用者さんに向けたチラシなら、その資格を書いても伝わりません。

ですが、ケアマネージャーに渡すチラシなら、2段目あたりに大きく書いてください。

 

なぜなら、その一行を読んだ瞬間に、ケアマネさんの頭には利用者さんの顔が浮かぶからです。

介護保険の中では時間が足りない。
でも、やらなければいけない。

そういう利用者さんを、ケアマネさんは実際に抱えています。

「今すぐお願いします」と依頼が来るのは、そこからです。

 

ケアマネージャーの資格を持っているなら、それも強みです

今回チラシを作成された方は、ケアマネの資格を持っていました。

その方が地元のケアマネさんに持っていくチラシなので、もっと自分の良さを出すようにお伝えしました。

たとえば、同じ資格を持っていると、話が早くなります。

ケアマネさんが心配していることに対して
適切なレポートを、適切なタイミングで返せるからです。

たとえば、介護保険のサービスと自費のサービスを、どう組み合わせるか?
ここは介護保険で安く済ませて、足りないところだけ自費にする。

そういう相談が、同じ資格を持っていればできます。

「私ならケアマネさんが欲しいと思っているレベルで答えられます」

このように説明されて、チラシを受け取ったケアマネさんは、どう思うでしょうか?

必要な時には、あなたに頼みたい、と思ってくれそうですよね。

 

書かないと「普通の人」になります

資格を持っていない方でも、家事のお手伝いや掃除の代行をされている方はいます。

ネットで探せば見つかります。

 

もし、あなたが、相手の役に立つ資格や経験を持っているなら、普通の人との違いをしっかりと目立つところに書きましょう。

フリーランスとして仕事をするためには、選ばれるために、他の人との違いを出さなければなりません。

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第5章:料金表は、細かくしなくていい

チラシを作るとき、料金で悩む方がとても多いです。

30分いくら、60分いくら、延長30分ごとにいくら、、、

細かく刻んだ表を目の前にして、何度も作り直し、正解が見えずに作業が止まります。

 

あなたがどんなに悩んでも、ケアマネさんは、そこを見ていません。

「60分だと3,500円か。80分ならいくらかな?」

ケアマネジャーさんが、そんな迷い方をすることはありません。

タクシーのメーターのように、料金が上がっていくところを気にしているわけではないのです。

 

ケアマネジャーさんの悩みは、別のところにあります。

あの人のところに行ってほしい。
でも、あの人はお金を払えるだろうか。

 

だから、書き方はこれで足ります。

全額自費のため、1時間3,500円です。

大枠がひとつ分かれば、ケアマネジャーさんは判断できます。

金額は目安です。
また、初回30分サービスやお試し期間なども、初めてのお客様には効果があります。

 

細かい料金表などで悩まず、誰の、どんなお悩みを、どのようにするサービスなのか?

お客様にとって最も大切なことに、時間を割いてくださいね。

 

第6章:いちばん危ないのは「きれいなチラシ」です

見せていただいたチラシは、本当にきれいにできていました。
デザインも整っていて、文字の並びも読みやすい。

でも、私はちょっと厳しく伝えました。

芸術作品としては完成しています。
でも、チラシとしては完成していません。

誰に渡すのかが決まっていないので、結局、誰のためのものにもなっていないのです。

 

難しいところですが、きれいにできているので直す気になれない、のです。

いまはAIに頼めば、それらしいチラシがすぐにできます。

ただ、AIは「誰に渡すか」を知りません。

だから、AIが作るチラシは、たいてい「できることを、きれいに並べたもの」になります。

いちばん上に何を置くかは、あなたにしか決められません。

 

第7章:まとめ

  • チラシを作る前に、誰に渡すかを決める。ケアマネージャー/利用者さんご本人/ご家族で、書くことが全部変わります
  • ケアマネージャーに渡すなら、1番上はケアマネージャーの悩み。「介護保険では対応できない利用者さんはいませんか」
  • 自分の思いから入ると、「頑張ってくださいね」で終わります
  • 渡す相手を、まず一人に絞る。「みんなに配りたい」と思うと、誰の興味もひきません
  • 言葉は相手に合わせる。一般の方に「介護保険外サービス」と書いても伝わりません
  • ただし、ケアマネージャー相手なら、専門用語のままでかまいません。同じ業界の人です
  • 持っている資格は、2段目に大きく書く。「話す中で伝えれば」は無理です。時間を取ってもらえません
  • 料金表は細かくしない。「全額自費のため1時間◯◯円」で足ります
  • きれいなチラシほど危ない。誰に渡すか決まっていないと、誰のためのものにもなりません

 

チラシを作り直す前に、紙に1行だけ書いてみてください。

「このチラシを渡す相手は、いま何に困っているか」

その1行が書ければ、チラシの1番上は決まります。

デザインを直すのは、そのあとです。

 

介護保険の枠の外で働くという考え方の全体像は、こちらにまとめています

個人で仕事を受けるときに、実際に何が要って何が要らないのかは、介護保険外サービスを個人事業主で始める方法をご覧ください。

 

チラシの前に決めることや、最初の1件をどう受けるかは、7日間のメール講座で順を追ってお伝えしています。

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記事中の内容は、実際のグループコンサルティングでのやりとりにもとづいています。ご本人が特定されないよう、お名前と地域は伏せています。記事中の料金はあくまで目安であり、地域やサービス内容により異なります。

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