フリー介護士

介護美容のボランティアをいつまで続ける?優しい介護士ほどお金をもらえない理由と解決方法

優しさを届ける介護の新しい形 フリー介護士

「介護美容の資格を取って、せっかく活動を始めたのに、ずっとボランティアのまま」

「喜んでもらえるのはうれしいけれど、いつになったら仕事になるのだろう」

「お金をいただきたいけれど、なかなか言い出せない」

こんな悩みを抱えていませんか?

私はフリー介護士養成講座で、介護の経験を活かして自分の仕事をつくりたい方のお手伝いをしています。

そこで感じるのが、介護の仕事をしてきた方は、本当に人に優しい方が多いということです。

困っている人を見ると、放っておけない。
「ありがとう」と言ってもらえたら、それだけでうれしい。
相手が大変な思いをしていると、つい自分の時間を使ってでも助けてあげたくなる。

私は、その気持ちは素晴らしいと思っています。

ただし、ここに一つ問題があります。

その優しさだけでは、仕事を続けていけないということです。

時間も使う。
交通費もかかる。
準備も必要です。

それなのに、いつまでも無料で活動していたら、いずれ続けられなくなってしまいます。

今回は、介護美容のボランティアから、どうすればお金をいただける仕事に変えていけるのか。

実際に受講生さんから相談を受けた事例を交えながら、お話しします。

 

なぜ介護士は、お金をいただくことが苦手なのか

介護の仕事をしてきた方は、目の前の人に喜んでもらうことを大切にしています。

もちろん、それ自体はとても良いことです。

しかし、自分で仕事を始めると、今までとは違う考え方が必要になります。

施設で働いていたときには、お給料をいただいていました。

利用者さんのお世話をするたびに、「これはいくらです」と料金を請求する必要はありませんでした。

ところが、自分で仕事を始めると違います。

何をサービスとして提供するのか。
いくらで提供するのか。
どこからどこまでが仕事なのか。

すべて自分で決めなければなりません。

ところが、ここで悩んでしまう方が少なくありません。

「ちょっとしたことなのに、お金をいただいていいのかな」
「困っている人からお金を取るなんて、申し訳ない」
「今まで無料でやっていたのに、急に有料にするのは気が引ける」

そう考えてしまうのです。

 

周囲の人も「それくらい無料でいいのでは?」と言う

もう一つ、難しい問題があります。

周囲の人の考え方です。

例えば、高齢者の話し相手になること。
買い物についていくこと。
病院に一緒に行くこと。
爪を整えたり、身だしなみを整えるお手伝いをしたりすること。

そうしたことについて、

「それくらい、親切でやってあげればいいじゃない」
「ちょっと話を聞くだけで、お金をもらうの?」

と言う人もいるかもしれません。

確かに、家族や知人同士なら、無償で助け合うこともあります。

でも、仕事として継続的にサービスを提供するとなると、話は別です。

相手のところまで出向く時間があります。
サービスを提供する時間があります。
準備や片付け、連絡などにも時間がかかります。

何より、相手に安心してもらえるように、これまで培ってきた知識や経験を使っています。

ただ親切にしているのではなく、自分の時間と経験を使って、相手の困りごとを解決しているのです。

私は、そこには十分に仕事としての価値があると思っています。

お婆さんと話をする介護士

ボランティアが悪いのではありません。問題は、ずっと無料のまま続けること

ここは誤解しないでいただきたいところです。

私は、ボランティアを否定しているわけではありません。

ボランティア活動には大切な役割がありますし、無償でも活動を続けたいという方は、それでよいと思います。

ただし、介護美容や介護の経験を活かして収入を得たい、仕事として独立したいと考えているなら、いつまでも無料で続けるわけにはいきません。

以前、ある受講生さんから、こんな相談がありました。

その方は介護福祉士として長年働き、介護美容も学んでいました。

ご自身で活動を始めていましたが、講座に入る前はずっとボランティアだったそうです。

個人コンサルでは、こう話していました。

ずっとボランティアをやってて、どう次にするかって、なんとなくもやっとしてて。
どうなんだろうって思ってたのが、すっきりしてよかったなって。

介護美容を学び、実際に活動もしている。
お客様にも喜んでもらえている。
でも、そこから先に進めない。

このような方は、決して珍しくないと思います。

実は、こうした悩みは、介護美容の技術をさらに勉強したからといって解決するものではありません。

必要なのは、自分の活動をどうやって仕事にするかという、ビジネスの考え方なのです。

 

無料で始めてもいい。ただし、最初に料金を伝えておく

私が受講生さんにお伝えしているのは、無料で始めること自体は悪くない、ということです。

例えば、介護美容の施術を初めて提供する。
まだ経験が少ないので、まずはモニターとして試していただく。

これは、仕事を始めるうえで有効な方法です。

ただし、大切なことがあります。

最初から、通常は有料のサービスであることを伝えておくのです。

例えば、こんな言い方です。

通常は60分〇〇円で行うサービスですが、今回はモニターとして無料で体験していただけませんか?
実際に体験していただいた感想も、ぜひ聞かせてください。

こうしておけば、相手も「今回は特別に無料なのだな」と理解できます。

次にお願いするときには料金がかかる、ということも自然に伝わります。

一方で、何も説明せずに無料で始めてしまうと、相手はそれが当たり前だと思ってしまうかもしれません。

すると、次から料金をいただくことが難しくなります。

無料で始めるのは構いません。

しかし、無料で始めることと、無料のサービスとして定着させてしまうことは、まったく違うのです。

介護美容の料金やメニューの考え方については、こちらの記事でも詳しく説明しています。

介護美容のメニューと値段のつけ方|施術ごとの単価を並べてはいけない理由

 

施術のあと、30分も1時間も無料で話を聞いていませんか?

もう一つ、受講生さんとの個人コンサルで出てきたお話を紹介します。

この受講生さんは、介護美容の施術で訪問したご家庭から、施術後に「お茶しましょう」と声をかけていただくことがありました。

そして、お茶を飲みながら、ご家族のお話を聞いていたそうです。

お母さまの介護のこと。
日頃の困りごと。
誰にも話せなかった気持ち。

そうしたお話を、ゆっくり聞いていました。

時間にすると30分。
長いと1時間近くになることもあったそうです。

受講生さんは、こう話していました。

きっと、ここの時間が大事なんだろうなって、いつも思ってて。
でも、頂いてるお金は60分だからな。ここの時間、どうしようって。

私は、この気持ちがとてもよく分かります。

介護の仕事をしている方は、ご家族のお話を聞くことも大切だと知っています。

なかなか人に話せない悩みを、安心して話せる相手がいる。

それだけでも、ご家族にとっては大きな支えになるかもしれません。

でも、少し考えてみてください。

施術が60分。
そのあと、お話を聞くのが60分。
訪問までの往復時間もあります。

そうなると、最初に予定していた時間よりも、ずっと多くの時間を使っていることになります。

これを毎回無料で続けていたら、どうでしょうか。

自分の仕事の時間がなくなってしまいます。

ほかのお客様から依頼をいただいても、対応できなくなるかもしれません。

相手にとって大切な時間だからこそ、その時間をきちんと仕事として考える必要があるのです。

 

「お金をください」と言わなくても、料金はいただけます

では、どうすればよいのでしょうか。

私はその受講生さんに、まず時間を区切ることを提案しました。

例えば、施術が終わってお茶に誘われたとき。

少しお話を聞いたあとで、

「今日はこのあと予定がありますので、そろそろ失礼しますね」

とお伝えするのです。

そして、もし相談の時間が必要なら、

もしゆっくりご相談されたいことがあれば、別にお時間をお取りできますよ。
ご相談の時間として料金をいただく形になりますが、そのときは予定を空けて、ゆっくりお話をうかがえます。

と提案してみる。

いきなり「相談料を払ってください」と言う必要はありません。

最初から料金を含めたサービスとして提案すればよいのです。

もちろん、本当は予定がないのに、予定があると嘘をつく必要はありません。

「今日はここまでにさせてくださいね」
「このあと別の仕事がありますので」

という言い方でもよいでしょう。

大切なのは、相手を突き放すことではありません。

相談する時間も、一つのサービスとして用意しておくことです。

必要な方は申し込んでくださいます。
必要のない方は、申し込まなければよいだけです。

お客様に選んでいただけばよいのです。

 

お金をいただくからこそ、相手のために時間を使える

ここで、もう一つ考えてほしいことがあります。

無料で1時間お話を聞く場合と、料金をいただいて1時間お話を聞く場合。

自分の気持ちは同じでしょうか。

私は違うと思います。

無料で話を聞いていると、どうしても途中で考えてしまうことがあります。

「そろそろ帰らないと」
「まだお話が続くのかな」
「次の仕事の準備もしないといけない」

相手の話を大切にしたい気持ちはあっても、自分の時間が気になってしまうのです。

でも、相談の時間として料金をいただいていれば、どうでしょう。

その時間は、最初からお客様のために確保しています。
焦って切り上げる必要もありません。
安心して、じっくりお話を聞くことができます。

お客様も「相談するための時間」と理解したうえで、安心して利用できます。

お金をいただくことは、相手への思いやりを減らすことではありません。

むしろ、お互いが納得して、気持ちよくサービスを続けるために必要なことなのです。

 

介護美容だけでなく、ほかの仕事にもつながっていく

ここからが、フリー介護士という働き方の面白いところです。

介護美容で訪問したときに、ご家族のお話を聞いていると、さまざまな困りごとが見えてくることがあります。

例えば、

「来週、母を病院に連れていかなければならないんだけど」
「たまには私も外出したいけれど、母を一人にしておけなくて」

そんなお話です。

もし、自分が提供できるサービスであれば、

「病院への付き添いもできますよ」
「その時間、お母さまのお手伝いをすることもできますよ」

と提案できます。

もちろん、ご自身の資格や経験、対応できる業務の範囲、安全面などを確認したうえでの話です。

介護美容で訪問していたことがきっかけで、介護の経験を活かした別のサービスにつながるかもしれません。

これは、無理に商品を売り込むこととは違います。

お客様が困っていることを知り、自分にできることを提案する。
それが仕事になるのです。

お客様は、介護美容の施術そのものだけではなく、日々の困りごとを解決してくれることにも価値を感じるのではないでしょうか。

高齢者に説明する介護士

新しいサービスは、まず今のお客様に試してもらう

この受講生さんは、LINEを使った介護相談サービスも考えていました。

介護をしているご家族が、気軽に悩みを話せる場所をつくりたいというアイデアです。

もう、ただ愚痴をこぼす場所でもいいかなと思ってて。
答えを多分求めているわけじゃないと思うので。

確かに、Zoomなどで改まって相談するのは大変でも、LINEなら気軽にメッセージを送れるかもしれません。

私は、まず今のお客様に試していただくことをおすすめしました。

例えば、

これから、LINEで介護のお悩みを聞くサービスを考えています。
今回はモニターとして、何回か無料で試していただけませんか?
将来は有料のサービスにする予定なので、使ってみた感想も教えてください。

という提案です。

実際に使っていただけば、どんな相談が多いのか分かります。

ちょっとした話し相手が必要なのか。
介護についての具体的な情報が必要なのか。
どのくらいの頻度で相談が来るのか。

それによって、サービスの内容や料金を考えていけばよいのです。

ここで大切なのは、最初から完璧なサービスをつくろうとしないこと。

そして、無料で試していただく場合にも、将来は有料のサービスにすることを、あらかじめ伝えておくことです。

 

今のお客様の料金を、無理に上げる必要はありません

「でも、今まで無料だった人に、急にお金をくださいとは言えません」

そう思う方もいるでしょう。

私は、必ずしも今のお客様からすべて料金をいただく必要はないと思っています。

例えば、これまで無料で協力してくださったお客様。
まだ経験が少ないときから、練習やモニターに付き合ってくださった方。

そのような方との関係を、無理に変える必要はありません。

今まで通りのお付き合いを続けるという選択肢もあります。

ただし、これから新しくお客様を募集するのであれば、最初から料金を決めておきましょう。

そして、どのようなサービスを、いくらで提供するのかを、きちんと伝える。

そうすれば、新しいお客様には、最初から仕事として理解していただけます。

既存のお客様と新しいお客様で料金を分ける場合も、自分が無理なく続けられるか、料金の違いを説明できるかを考えて決めればよいのです。

すべてのお客様に同じ条件で提供しなければならない、というわけではありません。

自分で仕事をするのですから、自分で決めてよいのです。

 

優しい人ほど、お金をいただいて仕事を続けてほしい

私は、介護の仕事をしてきた方の優しさは、大きな強みだと思っています。

困っている人の気持ちが分かる。
相手の立場で考えられる。
ちょっとした変化にも気づける。

こうした能力は、簡単に身につくものではありません。

だからこそ、もったいないと思うのです。

せっかく人の役に立てる経験や技術があるのに、お金をいただくことが苦手だからという理由で、仕事を続けられなくなってしまう。

私は、そんなことになってほしくありません。

ボランティアとして活動することを、自分で選ぶのなら構いません。

でも、仕事にしたいと思っているのに、無料から抜け出せないのであれば、考え方を少し変えてみてください。

お金をいただくことは、悪いことではありません。

自分の生活を守りながら、長く人の役に立ち続けるために必要なことなのです。

 

まとめ|ボランティアから仕事に変えるための3つのこと

介護美容や介護の経験を活かして、無料の活動を有料の仕事にしていくために、まず意識していただきたいことは3つです。

1.無料で始めるなら、最初に通常料金を伝える
モニターやお試しは構いません。ただし、今回は特別に無料であることと、通常の料金を伝えておきます。

2.自分の時間にも価値があると考える
施術だけではなく、相談や付き添いなど、自分の時間や経験を使うサービスにも価値があります。
どこまでが基本サービスで、どこからが別料金なのかを決めておきましょう。

3.お客様にサービスを提案し、選んでいただく
「こんなこともできますよ」と伝えることは、無理な売り込みではありません。
必要な方が利用できるように、サービスとして用意しておくことが大切です。

 

まずは一つ、無料でしていることを見直してみませんか?

今、自分が無料でしていることを、一つ思い浮かべてみてください。

施術のあとのお話。
ちょっとしたお手伝い。
LINEでの相談。
頼まれると断れない付き添い。

その中に、本当は仕事として提供できるものがあるかもしれません。

今すぐすべてを有料にする必要はありません。

まずは、自分がどのような価値を提供しているのか、考えるところから始めてみてください。

そして、それを必要としている方に、サービスとして提案してみる。

その小さな一歩が、ボランティアから仕事へ変わるきっかけになります。

 

介護美容の資格を取ったのに、仕事にならない方へ

私のフリー介護士養成講座では、介護の経験や資格を活かして、自分だけのサービスをつくるお手伝いをしています。

単に資格を増やすのではなく、今持っている経験を、どうすればお客様に喜んでいただける仕事にできるのか。

その方法を一緒に考えています。

介護美容の資格を取ったけれど、なかなか仕事につながらない。
ボランティアはしているけれど、収入にならない。
料金を決めたり、お客様に提案したりするのが苦手。

そんな方のために、無料の本をご用意しました。


【無料プレゼント】『介護美容の資格を取ったあとに読む本』

資格を取ったあとにぶつかりやすい5つの壁について、30ページにまとめています。

  • 自分の経験をどう仕事にするのか
  • どんなメニューをつくればよいのか
  • 料金はどう決めればよいのか
  • 最初のお客様をどう見つけるのか
  • 営業が苦手でも、どうやって仕事を広げていくのか

書き込み式のワークシートも付いています。

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※この記事の受講生さんの事例は、実際の個人コンサルでお話しした内容をもとにしています。プライバシーに配慮し、お名前や活動地域は伏せています。サービスに関する提案は、実施結果ではなく、コンサルでお伝えした内容として紹介しています。

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