「厚生労働省が、介護保険外サービスのガイドラインを出したそうですね」
最近、SNSでこのような投稿を見かけました。
フリー介護士に関心のある方なら、気になる話だと思います。
ところが、実際に公表された資料を読んでみると、話は少し違いました。
公表されたのは、ケアマネジャーや地域包括支援センターの職員が、利用者さんに保険外サービスを紹介するときの「手引き」です。
厚生労働省の補助事業として、民間の研究機関が作成した調査研究の成果です。
新しいルールができたわけでも、規制が緩和されたわけでもありません。
この手引きの中身は、国の資料が保険外サービスをどう捉えているかを読み解いた記事で詳しくお伝えしています。
制度や国の資料を詳しく知りたい方は、そちらをご覧ください。
今回お伝えしたいのは、資料の中身ではありません。
このような情報が、SNSでは当たり前のように広がっていく、ということです。
そして、フリー介護士として一人で始めようとしている方は、こうした情報の中で、毎日たくさんの判断をしていくことになります。
第1章:フリー介護士は、一人でも始められます
最初に、はっきりお伝えしておきます。
フリー介護士は、一人でも始められます。
介護保険の外で、利用者さんやご家族と直接契約して仕事をする。
介護保険の事業所のように、指定を受けたり、人員をそろえたりする必要はありません。
実際に、個人で仕事を受けている方は全国にいます。
介護保険外サービスを個人事業主として始めるときに、何が必要で何が要らないのかは、介護保険外サービスを個人事業主で始める方法にまとめています。
始めること自体は、難しくありません。
難しいのは、始めたあとです。
第2章:始めてみると、小さな判断が次々に出てきます
フリー介護士として仕事を始めると、介護の現場では考えなくてよかったことを、自分で決める場面が増えます。
一つひとつは、小さな判断です。
たとえば、こんな場面です。
- ご家族から「ついでに、同居している夫の分の洗濯もお願いできますか」と頼まれた
- 料金を1時間いくらにするか、交通費をどうするか決められない
- 契約書を交わしたほうがいいのか、口約束でいいのか分からない
- 利用者さんが転んでけがをしたら、どうなるのか気になった
- 担当のケアマネさんに、どこまで報告すればいいのか分からない
- SNSで見た情報が本当なのか、確かめる方法がない
どれも、調べれば答えの手がかりは見つかります。
たとえば、万が一の事故に備える保険は、個人で入れる介護の賠償責任保険で整理しています。
ただ、仕事をしていると、判断は一度では終わりません。
利用者さんが増えれば、ご家族の事情も、ケアマネさんとの関係も、一人ひとり違ってきます。
小さな判断が、毎週のように出てきます。
第3章:難しいのは、知識の量ではありません
コンサルをしていると、よく聞く言葉があります。
「たぶん大丈夫だと思うんですけど、これで合っていますか」
答えを知らないのではありません。
多くの方は、自分なりに調べて、ある程度の答えを持っています。
難しいのは、自分の判断が合っているかを確かめる相手がいない、ということです。
介護の職場にいたときは、迷ったら先輩や上司に聞けました。
事業所の決まりがあり、判断の基準がありました。
一人で仕事を始めると、判断の基準は自分で作ることになります。
そして、確かめる相手がいないと、同じところで何日も止まってしまいます。
料金が決められないまま、チラシが作れない。
チラシが作れないまま、ケアマネさんに挨拶に行けない。
一つの判断で止まると、その先の仕事が全部止まります。
冒頭のSNSの話も同じです。
「国がガイドラインを出した」という話を聞いて、「何か新しい決まりを守らなければいけないのでは」と不安になった方もいると思います。
一人で抱えていると、確かめるまでの時間がそのまま止まる時間になります。
第4章:相談できる環境があると、前に進みやすくなります
だからといって、「一人で始めるのは危ないからやめましょう」と言いたいのではありません。
一人で始めることはできます。
ただ、一人で全部を判断し続ける必要はありません。
正しい知識を学んでおく。
迷ったときに相談できる人がいる。
同じように活動している仲間がいる。
この3つがあるだけで、止まっている時間がぐっと短くなります。
私が運営しているフリー介護士養成講座では、知識をお伝えするだけではなく、次のようなところまで一緒に取り組んでいます。
- 実際に提供するサービスの内容づくり
- 料金の決め方
- お客様の見つけ方
- ケアマネジャーなど地域の専門職との連携
- 実際に活動している先輩フリー介護士との交流
- 困ったときに相談できる環境
受講生の方からの相談は、特別なことではありません。
第2章に並べたような、仕事の中で出てくる小さな判断がほとんどです。
小さな判断を一緒に確かめていくと、自分の中に判断の基準ができていきます。
先輩フリー介護士の存在
もう一つ大きいのは、実際に活動している先輩がいることです。
料金を決めるときも、ケアマネさんに挨拶に行くときも、同じ道を先に歩いた人の話は、何よりも具体的です。
「自分だけが迷っているのではない」と分かるだけで、次の一歩は踏み出しやすくなります。
第5章:まとめ
- フリー介護士は、一人でも始められます。指定も人員基準もありません
- 始めると、料金・契約・事故への備え・ケアマネさんとの関係など、小さな判断が次々に出てきます
- SNSには、「国がガイドラインを出した」のように正確ではない情報も流れてきます
- 難しいのは知識の量ではなく、自分の判断が合っているかを確かめる相手がいないことです
- 学ぶ場所と、相談できる人と、仲間がいると、止まっている時間が短くなります
一人で始めることはできます。
でも、一人で悩み続ける必要はありません。
介護保険の枠の外で働くという考え方の全体像は、こちらにまとめています。
フリー介護士として何から始めればいいのか、最初に決めることは何かを、7日間のメール講座で順を追ってお伝えしています。
一人で調べ続ける前に、まずは全体の流れをつかんでください。



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