フリー介護士

介護美容の最初のお客様はどこにいる?「高齢者」ではなく「一人」から始める見つけ方

フリー介護士

介護美容の資格を取った。
チラシも名刺も作った。
でも、最初のお客様が見つからない。

施設に電話をしてみた。

マルシェに出てみた。

SNSでも発信してみた。

それなのに、お金を払って頼んでくださる方が、まだ一人もいない。

そんなところで、立ち止まっていませんか。

最初にお伝えしておきます。

それは、あなたの技術が足りないからではありません。

介護美容の資格は、技術を学んだしるしです。

そして、資格を取ることと、その資格で仕事をつくることは、別の学びなのです。

最初のお客様の見つけ方は、資格の勉強では扱わないことが多いのです。

分からなくて、当然です。

この記事では、私が主宰するフリー介護士養成講座の受講生さんが、実際に何を考え、どこを直し、相手の反応がどう変わったのかをお伝えします。

先に結論を書いておきます。

最初のお客様は、「高齢者」という大きなくくりの中にはいません。

顔が浮かぶ一人と、その人との会話の中にいます。

 

「高齢者」は、何千万人もいます

京都で介護美容を始めた受講生さんの話です。

その方は、個人コンサルの日に事業計画書を作ってきてくれました。

1年後、3年後の目標まで書いた、しっかりした計画書です。

お客様の欄には、こう書いてありました。

介護が必要な方・ご家族

介護美容を学んだ方なら、きっと同じように書くと思います。

私は、こうお伝えしました。

高齢者って、何千万人もいるので。
それって、実際は誰のことですか。

文章としては、きれいにまとまります。

でも、実在しない人に向けて書いたものは、小説の世界になってしまいます。

誰にも届かないのです。

 

「声をかけられる人は、誰かいますか?」

そこで、こう聞きました。

「声をかけられる人は、誰かいますか?」

すると、お隣に住んでいるご夫婦の話が出てきました。

チラシができたら見てもらう、と約束していたそうです。

ここから、その方のチラシの言葉は大きく変わっていきます。

「高齢者に向けたチラシ」が、「お隣の奥様に見せるチラシ」になったからです。

一人が決まると、その人が何に困っていて、何なら喜んでくれるのかを、具体的に考えられるようになります。

 

最初に決めるのは「誰に」。それも、顔が浮かぶ一人

最初のお客様を探すとき、多くの方は「どこで探すか」から考えます。

施設か、マルシェか、SNSか。

でも、その前に決めることがあります。

「誰に」です。

それも、「高齢者」という大きなくくりではなく、顔が浮かぶ一人です。

ご家族、ご近所、ママ友、元の職場の方。

介護のことで困っていそうな方を、一人だけ思い浮かべてみてください。

すでに活動している方は、これまでのお客様の中で、いちばん喜んでくださった方を思い浮かべてください。

その一人が、あなたの最初のお客様の姿です。

 

資格の勉強では、お客様の見つけ方は習わない

愛知でマルシェに出ている受講生さんは、最初の個人コンサルで、こう話していました。

1年間、介護美容の学校に通ったんです。
どうしても、それを無駄にしたくない。
でも、困っている人の話を直接聞いていないので、手応えが分からないんです。

これは、技術の問題ではありません。

仕事にするには、技術のうえに、

  • 誰の困りごとに
  • 何をして
  • いくらで
  • どう伝えるか

を考える必要があります。

こうしたことを、一人で考えたことがある方は、ほとんどいません。

学校で教わる技術とは、別の学びだからです。

だから、分からないことを恥ずかしいと思わなくて大丈夫です。

大事なのは、困っている人の話を、直接聞きにいくことです。

 

施設だけを、最初の入口にしない

介護美容の資格を取ったあと、多くの方がまず考えるのは、施設への営業です。

施設との契約を柱にして活動している方もいます。

一つのやり方です。

ただ、施設だけを入口にすると、決まるまでに時間がかかることがあります。

施設に断られたときの考え方は、こちらの記事に書きました。

介護美容の施設営業で断られる理由|美容師免許なしで介護から入る

ここでは、施設のほかに、最初の相談がどこから生まれるのかをお話しします。

 

認知症カフェに、何と言って行くか

先ほどの愛知の受講生さんは、地域の認知症カフェに行ってみることにしました。

介護のことで困っている方の話を、直接聞く機会がなかったからです。

予約の電話で「介護美容で体験会をしたい」と伝えたところ、電話口の方は「私では決められないので、一度来てください」とのことでした。

当日、職員の方に何と言うつもりかを聞くと、こうでした。

保険外サービスで、介護美容のこともやっているんですけど、一度、体験会を開かせてもらえませんか。

私は、「それでは、何も伝わっていない」とお伝えしました。

言われたほうは、「ああ、そうですか」で終わってしまいます。

そこで、2つ大事なことをお伝えしました。

1. 認知症カフェで説明するなら、一緒に来ているご家族に。
認知症のご本人に説明しても、忘れてしまうことが多いからです。

2. 体験会ができなくても、地域包括などの介護の関係者と、顔を合わせて話せるだけで大きな一歩。

そして、話すことを前もってきちんと書いておくこと。

アドリブで話すのは、慣れていても難しいものです。

最初のお客様は、いきなり現れるわけではありません。

「この人は、こういうことをしている人だ」と知ってくれる人を、一人ずつ増やしていく。

その先に、最初の相談があります。

 

「保険外サービス、ご存知ですか」から入らない

では、実際に困っている方と話せたとき、何と言えばいいのでしょうか。

愛知の受講生さんとの個人コンサルで、会話の練習をしました。

私が娘さんの役です。

遠くで一人暮らしをしている母が、足が悪くなってきて、心配なんです。

受講生さんは、チラシを見せながら、こう言いました。

こういう、保険外のサービスってご存知ですか?

私は、こうお伝えしました。

「保険外」という言葉は、使わないほうがいい。

それに、いきなりサービスの話をするのは、いきなり営業ですよね、と。

 

話しかけるときに必要なのは、普通で自然な会話

話しかけるときに必要なことは、もっと普通で自然な会話です。

「心配ですね」

「最後に会いに行かれたのは、いつごろですか」

「電話はされていますか」

「ご近所に、頼れる方はいらっしゃいますか」

そうやって聞いていくと、「様子を見に行けなくて困っている」という本当の困りごとが出てきます。

そこで初めて、こう聞きます。

私は他人ですけど、例えば週1回でも覗きに行ったら、助かりますか?

「そんなことをしてくれるんですか」と言われたら、

「実は、介護保険では出来ないんですが…」と、自分の仕事の話をすればいいのです。

つまり、

相手の困りごとを先に聞いて、自分の仕事は、あとから話す。

この順番です。

介護美容の話は、どこで出てくるのでしょうか。

困りごとを聞いて、あなたが手伝えることが見えてきたときです。

「お母さま、昔はおしゃれをされていたんじゃないですか」

そんな会話から、介護美容は自然に入っていけます。

美容は、困りごとに応えた先にある入口の一つなのです。

介護美容と介護の経験を組み合わせた実例は、こちらの記事にまとめました。

「介護か、美容か」で悩み抜いた介護福祉士が、自分の言葉を見つけるまで

 

最初の一人は、身近なところから

講座のセミナーでは、こんな言い方もお伝えしています。

×「新しい商品を作ったので、買ってください」

○「今こういうことを考えているんだけど、どう思う?」

意見を聞かれると、相手は自分ごととして受け取ります。

そして、「実は、うちの母が…」という話が出てきたりします。

 

身近な人が分からないものを、誰が買うでしょうか

「どこにお客様がいるか分からない」と悩む方が多いのですが、

まず、あなたが何をしているかを、身近な人に知ってもらいましょう。

身近な人すら、あなたのしていることの良さを理解していなければ、

SNSやチラシを配ったところで、誰がお金を払ってくれるでしょうか?

実際、講座の受講生さんの最初のお客様も、知人の紹介や元の職場、ご近所など、すでに知っている人から来ていることがほとんどです。

身近なところから、あなたの良さが少しずつ広がっていきます。

 

まとめ|介護美容の最初のお客様を見つける3つの順番

介護美容の最初のお客様は、どこか遠くにいるわけではありません。

  • 「高齢者」ではなく、顔が浮かぶ一人を決める
  • 相手の困りごとを先に聞いて、自分の仕事は、あとから話す
  • 身近な人に「どう思う?」と聞いて、していることを知っておいてもらう

この3つの順番です。

技術の問題ではありません。

資格と、仕事をつくることは、別の学びだからです。

 

今日、一つだけやってみてください

介護のことで困っていそうな方を、一人だけ思い浮かべてください。

そして、その方への最初のひと言を、「どう思う?」の形で書いてみてください。

「今、こういうことを考えているんだけど、どう思う?」

この「こういうこと」に入る一文が書けたら、それが、あなたの最初のお客様につながる言葉です。

すでに活動している方は、これまでに話を聞いて、そのままになっている方はいませんか。

「その後、いかがですか」と連絡するひと言を書いてみてください。

 

一人で考えていると、なかなか気づけません

一人でチラシや言葉を作っていると、自分の言いたいことばかりになりがちです。

私の講座では、受講生さんが実際に言ったひと言と、相手の反応を持ち寄って、グループコンサルや個人コンサルで一緒に直しています。

今日ご紹介した会話の練習も、そうした場でのことです。

介護美容の資格を取ったあとに何をすればいいかを、もう少し順番に整理したい方へ、無料の本をご用意しています。


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この記事でお伝えした「誰に届けるか」「最初のお客様をどこで見つけるか」を、順番に整理できるようにまとめた本があります。

何を仕事にするか、値段の決め方、チラシの書き方、施設に営業してもつながらない理由まで、資格を取ったあとにぶつかる5つの壁を全30ページにまとめました。書き込み式のワークシートも付いています。

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※この記事の受講生さんの事例は、個人コンサルで実際にお話しした内容をもとにしています。ご本人が特定されないよう、お名前は伏せています。

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